FE 350

01. 進歩的な性能

エンジン

現行世代のエンジンは、あらゆるエンデューロライディングに対応できるよう、最大限のパワーをコントロールしやすい特性で発揮するように設計されています。内部では、すべての主要コンポーネントとシャフトを重心に近い位置に配置することで、回転慣性の影響を低減し、これが俊敏なハンドリングをもたらします。さらにマスを集中化できるようにシャシー内に配置されたこのエンジンは、重量わずか28.8 kgで、約51 PSを発生し、350 cm³ 4ストロークエンジンとしては非常に軽量かつパワフルです。

シリンダーヘッド

ダイヤモンドライクカーボン（DLC）コーティングされたフィンガーフォロワーを備えたDOHCシリンダーヘッドが、ハイレベルなエンデューロパフォーマンスを発揮します。ガスフローの最適化を図り、36.3 mmのチタン製吸気バルブと、29.1 mmの排気バルブを採用しています。これにより、FE 350のエンジンはスムーズに吹け上がり、全回転域を通して力強く、かつコントロールしやすいパワーを生み出します。

シリンダーとピストン

ボア径が88 mmのシリンダーと鋳造ブリッジドボックスタイプのCPピストンの組み合わせにより、圧縮比は13.7:1となり、低い振動質量で強力かつ制御可能な出力を生み出します。高強度のアルミニウムを使用して製造したシリンダーとピストンは、専門的に設計され、卓越したパフォーマンスと信頼性を発揮します。

スロットルボディ

FE 350にはスロットルレスポンスを最適化した42 mm Keihin製スロットルボディが装備されています。インジェクターは燃焼室への流れを最大限に効率化するために配置されており、スロットルケーブルはリンケージシステムなしで直接取り付けられており、これにより応答を改善しています。

エンジン

シリンダーヘッド

シリンダーとピストン

スロットルボディ

02. 最新のシャシー

フレーム

定評あるクロムモリブデン鋼フレームは、低速セクションやテクニカルなセクションでの敏捷性を犠牲にすることなく、ハイスピードでの直進安定性を確保します。シャシー全体の肉厚を最適化することで耐久性を高めるとともに、比類なきライダーフィードバックとエネルギー吸収性を実現しています。アンチスクワット挙動とシャシー全体のバランスを最適化するため、ショックはメインチューブに直接接続されていません。フレームは上質なメタリックブルーの粉体塗装仕上げで、フレームプロテクターの装着により、あらゆる条件で優れたグリップを提供します。

ハイブリッドのサブフレーム

ポリアミド60%、アルミニウム40%で作られたサブフレームは、総重量はわずか1.8 kgで、卓越した強度と耐久性を実現しています。ロアサブフレームスパーとフレームマウントは信頼性に優れた鋳造アルミ製、アッパーセクションは射出成形ポリアミド製とすることで、特有の屈曲特性を確保しています。

スイングアーム

スイングアームはダイキャスト製法により製造されたもので、最適な剛性を確保しています。シャシーの屈曲特性を適応させるため、22 mmのリアアクスルを採用しています。さらに、スイングアームはチェーングライダーの耐久性を高めるよう設計されており、またチェーンガイドは丸みを帯びた形状で、外部の物体に引っかかりにくくなっています。

ボディワーク

スウェーデンスタイルのすっきりとしたグラフィックで飾られたボディワークは、ライダーが長時間、最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されています。フラットなシート形状のおかげで、ライダーの動きが制約されることなく、またグリップ力の高い新しいカバーにより、強く加速するときもしっかりと体勢を維持できます。サイドパネルの上の奥まっているポケットを利用することにより、マシンを持ち上げたり、移動したりできます。これは、過酷なエンデューロイベントで競争しているライダーにとって特に大きなメリットとなります。

燃料タンク

8.0 Lの燃料タンクが、人間工学に基づいたボディワークと見事に一体化し、その下にはラバークッションが備わり、タンクを固定し、フレームの摩耗を防いでいます。一体型燃料ポンプと一体型フィルターにより、タンク内の燃料を最後まで使い切ることができるため、長時間のイベントでは特に有利です。信頼性向上のため、外部の燃料パイプは特別に配管され、露出を減らし、損傷を受けにくくしています。

ラジエター

高強度アルミニウム製のラジエーターは、数値流体力学（CFD）に基づいて設計されており、空気がラジエーター内を効率的に通り抜けるようになっています。フレームに冷却液を送る大型の中央チューブがシステムのこの点での圧力を減少させ、より一定した流れを提供します。サーモスタット内蔵で信頼性が向上し、ラジエーターキャップはバヨネット式クロージャーで確実に装着されます。

フレーム

ハイブリッドのサブフレーム

スイングアーム

ボディワーク

燃料タンク

ラジエター

03. 革新的な優位性

WP XACTフロントフォーク

エンデューロライディングの過酷さに対応できるように設計・開発されたWP XACTクローズドカートリッジスプリングフォークは、オイルの流れを最適化し、泡立ちを防ぐ革新的な内部設計により、安定したパフォーマンスを提供します。ハイドロストップは、ストロークの最後の68 mmで効力を発揮し、激しい着地の際に前方への勢いを最大限維持できるため、非常に有利です。さらに、各フォークレッグの上下にある工具不要のアジャスターにより、ライダーがコンプレッションとリバウンドの設定を素早く簡単に変更できます。

WP製XACTショックアブソーバー

軽量なWP XACTリアショックは、300 mmのトラベルを有しています。リバウンドと高速側/低速側の両方のコンプレッションを手動で調整可能で、設定の変更は素早く簡単にツールなしで行なうことができます。CFDで最適化されたショックピストン、低摩擦シール、小径化されて軽量化に寄与する新しいリンケージボルトにより、一貫したダンピング、快適性、トラクションが保証されます。

油圧式ブレーキ

最高レベルのパフォーマンスを保証するのが、クラスをリードするBrembo製キャリパーと操作系統。2025年モデルでは、それが新しくなります。GSK製ウェーブディスク（260 mmのフロントディスクと220 mmのリアディスクの組み合わせ）は、泥の蓄積を防ぐように設計されたもので、あらゆる状況で優れた制動力とブレーキの信頼性が得られます。

油圧式クラッチ

新採用の高性能なBrembo油圧式クラッチシステムは、均一な摩耗、ほぼメンテナンスフリーな動作、あらゆる状況下での完璧な動作を保証します。この油圧システムによって、遊びが一定に補正され、温度や使用時間に関係なく、クラッチの圧力ポイントと機能が同じに保たれます。イタリアBrembo製油圧システムの高い品質と卓越した信頼性は、長時間のテストにより証明されています。

ホイールとタイヤ

D.I.D製のブラックの高強度合金リムが、軽量スポークとシルバーアルマイト処理されたアルミ製ニップルにより、CNC加工ハブに連結されています。ホイールに装着されたMichelin Enduroタイヤは、Husqvarna Factory Racingが使用しているもので、広範な地形に対応し優れたグリップを提供します。

トリプルクランプ

ブラックアルマイト処理されたCNC加工トリプルクランプは、プレミアム品質を標準で備えています。22 mmのオフセットが慎重に算出され、優れた技術や材質を使って専門的に製造されたトリプルクランプは、最高レベルの品質と信頼性を実現しています。このハンドルバーは、ProTaperバーとの間に大きな接触面を確保することで、クラッシュ時のねじれを防いでいます。また、エルゴノミクスをカスタマイズできる2つの取り付けオプションが用意されています。

WP XACTフロントフォーク

WP製XACTショックアブソーバー

油圧式ブレーキ

油圧式クラッチ

ホイールとタイヤ

トリプルクランプ

04. 高度なテクノロジー

LEDライト

LEDヘッドライトは驚くほど明るい光を放ち、夜間でも極めて良好な視界が得られ、特に深い森の中を走行する際に効果的です。巧みなマウンティング設計により、LEDライトユニットがクイックリリースシステムを使用してヘッドライトマスクの内側に装着されているため、損傷した場合に交換をすばやく簡単に行なうことができます。

マップ・セレクト・スイッチ

簡単に操作できるように設計されたマップセレクトスイッチにより、ライダーは2つのEFIマップ間の切り替え、トラクションコントロールの有効化、クイックシフターの作動を容易に行うことができます。トラクションコントロールは、マップセレクトスイッチでオン/オフを行なうことができ、ライダーからのスロットル入力とエンジン回転数の上昇率を分析することによって機能します。回転数があまりに早く上昇する場合、エンジンマネージメントシステムはグリップの喪失を検知し、最大のトラクションを確保するためにリアホイールに伝達される出力量を減らします。クイックシフターは、同じマップセレクトスイッチを使用することによっても始動でき、負荷が大きい場合にスムーズなシフトアップを実現します。